mamiの「突撃!? 楽屋リポート」

= 大阪公演に行った際、楽屋を訪問したmamiさんからの報告 =

['97/4/7 last up date]


(ちょっと自己紹介)

お邪魔します、mamiです。ゴレンジャー本放送から約15年あまりの潜伏期間の後、友人に借り
 たズバットのビデオで3年前に「発病」しました。まだまだ未熟なファンですが、OZ さんにはよ
 くしてもらっています。文中、えらそうな書き方になっている部分もあるかと思いますがご容赦
 下さい。

 *楽屋への遠い道のり*

3月23日午後3時45分、私と Sさん(「宮内洋後援会」の一員で頼りになるお友達)は大阪・新
 歌舞伎座の脇に立っていた。今から目の前の通用口を通って、「ドラキュラ in ジャパン」にキ
 リシタン大名・高山右近役で出演されている宮内さんに会いにいくのだ。楽屋訪問なるものはこ
 れが2度目。最初は2年前の森進一公演(於・飛天)で、数人でどやどやと押しかけ、まともに顔
 も拝めぬままどやどやと退場しただけである。その時に得た教訓(?)、

・訪問は舞台開幕30分前くらいが適当
・メイク途中での写真撮影はやめる
・出されるコーヒーは飲み干さねばならない

を復習し、中へと入った。心臓が飛び出しそうだ。 Sさん「宮内さんの楽屋へおじゃましたいの
ですが・・・」おじさんは愛想よく応えてくれた。「楽屋口は反対側ですよ」・・・緊張のうえ
に赤面が加わった2人であった。

 *いざ楽屋へ*

本物の楽屋口には、向かって左におじさんが数名いて、右側に階段がみえた。尋ねるとすぐお
 じさんが内線を入れた。囲いがないので電話が丸聞こえで、宮内さんの大きな声「はあい、 4時
 におねがいします!」が耳に飛び込んできた。(おおっ、宮内さんだーっ)声だけで喜んでしま
 う。あと 5分ほどあるので、受付に背を向け、階段の側で待つことにした。いろんな人が出入り
 していて、同じように待っている誰かのファンもいる。(早くこの階段を降りて楽屋に行きたい
 な)と思っていると、背後から「おはようございまあす!」っていう元気な声がして、宮内さん
 が反対側からやってきた。グレーの作務衣でメイクばっちり。(ど、どこから来たねんこのヒト
 は・・・!?)実は彼の部屋だけは、左の受付横の細い階段を降りた所にあったのだった。

  はっきりいって狭いが、通路にはコチョウランが山積みになっていて華やかだ。同室は、「暴
れん坊将軍」2代目お庭番和崎俊哉さん。部屋に入るなり宮内さん、「初代と2代目のお庭番コン
 ビです。今回も 2人ですっごい立ち回りするんですよ」と言う。実はそういうシーンはない。ま
 ったくお茶目な方だ。和崎さんは穏やかな人である。しかし 2人ともメイクがきついので、顔が
 よくわからない。

  外で待っていた人達も宮内さんの訪問客だったことから、総勢 5人がちょこんと座している状
態である。持参した花束とお酒を先に渡す。他の 3人は午前の部を観たらしく、さりげなくパン
フを手渡し、サインをもらっていた。前回は誰もサインしてくれと言い出せなかったので、この
展開には感謝した。(そうか、こういうふうに自然に頼むのか)一番あとに色紙を差し出した。
名前入りでしかも「宮内洋」のシール付き。思わず「か、家宝にしますっ!」と口走ったら、笑
って礼をいってくれた。

 *裏話など*

演出さんらしき人が入れてくれたコーヒー(やはり・・・)をそそくさと飲みながら宮内さん
 の話を聞く我々。「沈黙になったら、なに話しましょう・・・」なんて心配は無用だった。まず
 は「カーレV.Sオーレ」の話。

「いきなり、『宮内さん,赤がいいですか白がいいですか』と聞かれたから、『何がですか』
って言うと、『フンドシの色ですよ』って言われましてね・・・フンドシで太鼓をたたいてくれ
って。それはいくらなんでもヒドイってんで、タスキを用意させて、ああなったんです」(そり
ゃあちょっと見たくない)

そのあと、台の上にあった写真の束を取り出した宮内さん。(こ、今度は何だ?)「この前パ
ーティーがあったとき、あいだももちゃん(共演者)たちと一緒に歌ったんですよ、『黄色いさ
くらんぼ』をね」歌の題名を聞いた時点でうひゃあとのけぞったが、写真を見てさらに仰天。「
普通に歌っては面白くないから」ってねえ・・・それは、「オーレンジャー超全集」にあった写
真みたいな格好だった、とだけ言っておこう。「イメージ壊れるから、これくらいにしておきま
しょう」と言いながら、やたら嬉しそうな宮内さんをみて、(絶対よろこんでやってんだな)と
の思いを強くした。

開幕10分前にあわてて退席した。帰り際に一人ずつ握手。(やった、また「流れ」ができて
る・・・)初めて握ったその手は、大きくて柔らかくて、でもがっちりしていて力強かった。

 *大阪の町に消えた人*

舞台が終わって外に出たら雨。「宮内さんが帰るところを呼びとめる」、これも今回の大きな
目標の 1つであった。楽屋口には既に20人あまりが詰めかけている。私「あれみんな宮内さんの
 ファンだったら、・・・やっぱりイヤですねえ」 Sさん「・・・そうですね」しかし郷ひろみが
 出てきてあっけなくワゴンに乗って去っていってしまってからは、めっきり少なくなった。私「
 あの宮内さんが出てくるってのに、人いませんねえ」 Sさん「・・・」この辺がファンの複雑な
 心理である。

(出てきたら、傘を差し掛けてあげようっと)などと少女漫画の世界に浸っているうちに雨は
止み、それを見計らったかのように、黒のレザー帽子(つば無し)・えんじ色のジャケット・サ
ングラス・携帯電話の人物がのっしのっしと出てきた。「あ、宮内さん!」見つけたのはSさん。
  2人でとんでいって声をかけると、「やあ、舞台どうでした?」と笑顔で手を差し伸べてくれた
 ので、無意識にまたぎゅうっと握りしめてしまった。やはりあたたかくてごつくて握りがいのあ
 る手だ。ちょっとその辺にはないようなコロンの香も漂っている。セーターは黒っぽくて派手だ
 った気がするが、とても観察できる精神状態ではなかった。

歩調を合わせてゆっくり歩いてくれる宮内さん。「あそこ(楽屋)に 1日10時間もいるんです
 ・・・」って、すこぉし「穴ぐら生活」に疲れているような口ぶりだった。さっき聞きそびれた
 「10月の中座は誰の公演か」は、「京唄子さんです」とのこと。「中座は楽屋が広いから、また
 是非」の言葉に深くうなずく。

先に何人かの同業の方が待っているようで、正面口でお別れした。そのまままっすぐ歩いてい
く後ろ姿を2人でじっと見ていた。これほど宮内さんを身近に感じたことはなかったし、これほ
ど(やっぱり遠い人やなあ)と感じたこともなかった。志郎や早川や本部長がいた、のではなく、
あくまで「俳優の宮内洋」に会ったんだという思いが強い。でも、それでとても満足だった。

  (・・・また、会いにいく!)10月が楽しみだ。