【ひとりごと】

ひとりごと

= 自由気ままな雑文 =


本郷探索 (2004/12/15)

  先日日記にもちらっと書いたが、現在相方が入院している。先月半ばに体調を崩し、念のため
 と気楽に検査を受けたら有無を言わせずにそのまま緊急入院させられてしまった(^^;幸いにして
 切ったり縫ったりするわけではないが、現在ドクターの厳しい監視下に置かれている(苦笑)。
 その入院先が文京区本郷にある東京大学医学部付属病院、つまり東大病院。何故ここを選んだか
 というと、私自身子供の頃から実家の両親共々長年東大病院のお世話になっていたから。歯科と
 眼科以外の病気は全てここで治療を受け、入院するほどではなかったが外科手術も受けた事があ
 り、すでに30年来のオツキアイになる。

  国立の大学病院、それも天下の東大病院となると「紹介状なしでは受け付けてもらえないので
 はないか」とか、酷い場合は「インターン生の研究材料にされるのではないか」 とビビる患
 者もいるという話だけど、全然そんな事はない(笑)。紹介状などなくても飛び込み初診OKだし
 (但し、その分の料金が別途にかかるが(^^;)昔のように国立病院然とはしていなくて、ドクタ
 ーも腰が低くて愛想のいい人が多く(以前お世話になった外来のドクターはアパレル会社の営業
 マンみたいだった(笑))女医さんは美人が多い(才色兼備ってやつだな)。もちろんインフォ
 ームドコンセントもしっかりしているしナースも皆若くて明るくて元気で、これは最早サービス
 業に近い(笑)。

  と、ここで延々東大病院の宣伝をしてても仕方ないので、本筋に戻すと(^^;

  文京区は都内でも有数の文学の町。明治の文豪・夏目漱石や森鴎外、新五千円札の女流歌人・
 樋口一葉の他、数多くの文化人や芸術家を輩出している。中でも、東大のある本郷周辺には過去
 の偉人たちの軌跡が残されている場所が多いが、今まであまり訪れる事もなかったので、この機
 会に東大病院内とその周辺の探索をしてみた。

 東大病院正面

   

  建物の向かって左手側にバス停とタクシー乗り場、右側に外来用の入口がある正面。正確には
 角だから「正面」じゃないんだろうけど、この角度に名称を刻んだ石碑があるので、やっぱり正
 面扱いなんだろう(笑)。新しい建物だが旧館とのバランスが上手く取れている。

 救急車両入口

  数十年前はここが正規の入口だったと記憶してるんだがイマイチ
 自信なし(笑)。赤煉瓦が経年劣化で白っぽくなっているが、その
 分どっしりとした風格を感じさせる。

 入院棟A 中庭(禁煙)

  入院棟A は近年に新築された高層のタワー病棟。その1Fにある中
 庭が実は密かなお気に入りの場所♪但し、周囲をビルに囲まれてい
 るのでビル風が強く、陽射しはあるのに猛烈に寒いのが難点(^^;

 立原道造記念館

  東大構内の北側にある弥生門を抜けたすぐ目の前に、わずか24歳という
 若さで夭折した昭和の詩人・立原道造の記念館がある。黒を基調にした建
 物の外観はうっかりすると見落としそうにこじんまりしている。

 竹久夢二美術館

  立原道造記念館の右側にある小さな美術館。一見、ちょっと洒落た民家
 のようだが、これが竹久夢二美術館。周辺の塀には、はんなりとしたたお
 やかな少女が描かれたボードなどが飾られていて、館内に入らずともそれ
 らを眺めているだけで昭和の空気が感じられる。

 ソフィテル東京

  弥生門を出て左手側へ道なりに進むと上野公園の不忍池にぶつか
 るが、その手前にとっても珍しい形をした白いビルが建っている。
 周囲には他に高層建築がなく、これだけが異様に目立つ。以前から
 気になっていたのだが、どうやらシティホテルらしい。

 横山大観記念館

  不忍通を湯島方面に歩くと、日本画壇の巨匠・横山大観の記念館
 がある。住居跡をそのまま記念館にしたものらしい。残念ながらこ
 の日は休館日だった(^^;

 無縁坂

  不忍通から不忍池西の信号を右折するとすぐ無縁坂がある。森鴎
 外の名作「雁」に登場する坂道だが、私の世代だとグレープの名曲
 「無縁坂」(作詩/作曲 さだまさし)の方がピンと来る。不忍、そ
 して無縁坂。この辺りの地名にはどこかもの悲しい響きがある。

 東大赤門

  無縁坂を登りきり道なりに左側へ進むと春日通に出る。そのまま
 東京ドーム方向へ歩くと本郷通にぶつかるので右折。東大を右手に
 見ながら進むと、東大のシンボルとも言える赤門がある。これだけ
 だとどこかのお寺の入り口にも見えるけど(笑)。

 東大正門

  赤門を通り過ぎそのまま本郷通を進むと次に見えて来るのが東大
 正門。正門のはずなんだけど、どういう訳か赤門よりも学生の出入
 りが少なくて、風格や存在感から言っても赤門に比べてちょっと貧
 弱(^^;

 並木道

  東大の塀に沿うように続く銀杏並木。東大の赤レンガと銀杏の金
 色が見事なコントラスト。夏は虫(蚊とか(^^;)が多くて嫌だが、
 この季節はとても気持ちがいい。

 お店いろいろ

  場所柄、古書店や古美術品の店が建ち並んでいる本郷通は、また
 昔ながらの喫茶店も多く見られる。こちらのお店の屋号はやっぱり
 夏目漱石から拝借したんだろうなぁ〜。

  こちらは、え?山猫軒ってもしかして「注文の多い料理店」の山
 猫軒?宮沢賢治って本郷に関係してたっけ?と思ったら、何とこの
 近所に住居跡があるそうな。宮沢賢治まで本郷に住んでたのか。う
 ーむ、奥が深いぞ文京区(^^;

  とりあえず東大を中心にぐるりと一周したが、まだまだ見所が数多くある本郷。その多くは文
 学、芸術に関係する場所だ。かつて練馬区が駆け出しの若手漫画家たちの夢を叶える聖地であっ
 たように、文京区は多くの芸術家のたまごたちを見守り育んできた町なのだろう。

  今回は時間がなくて入れなかったり暗くて写真が撮れなかったりした場所も多いので、また時
 間を作って散策してみたいと思う。