クウガロケ隊遭遇記

「クウガ」のロケ現場で生オダギリと接近遭遇!

['00/4/25 last up date]


ロケ地探訪を始めた頃から「ポレポレ」のモデルとなったるぽ COFFEE HOUSEを探していた。 「クウガ」のロケ環境から東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県内にあるはずだと推測し捜索して いたのだがなかなか発見出来ない。だが、ひょんな事から東京都清瀬市内にあると知り「思い立 ったが吉日」的発想(つまり我慢が利かない ^^;)の私は早速現地へ向かった。

西武池袋線清瀬駅に降り電話帳で「るぽ」の正確な住所を探した。住所はすぐに見つかり、現 地までのバスルートも簡単に分かった。 4つ目の停留所でバスを降りると見慣れた青い三角屋根 が目の前に広がる。映像で見るより実物の方が小粋な感じで建物が綺麗だ。赤レンガと木材で組 み上げられた店内はステンドグラスが調度品のポイントに使われ、天井で回る扇風機や壁にかか る外国の風景画はデンマーク、スエーデンのような北欧の印象で「ポレポレ」のイメージとリン クする。常連が多いらしく近所の人たちの憩いの場となっているようだ。お気に入りの小説を持 ってコーヒーを飲みながらゆっくりと一日過ごす、そんな場所である。コーヒー専門店にしては メニューが豊富でソフトドリンクやデザートも充実。シチュー、ピザ、ピラフ、パスタと食事も しっかり出来る。営業時間が長く(AM 8:00〜PM11:00)志木街道沿いと言う立地環境とメニュー の豊富さを考えるとファミレスの役目も果たしているのかも知れない。


現地に到着して40分程経った11時少し前、ゆっくりとモーニングセットを食べ終わり少し冷め たコーヒーを口にした途端、思いも寄らない言葉が耳に飛び込んで来た。

「今日1時からロケ入るんだって」「またクウガ?」

えっ?何ですって!?私の聴力は瞬間的に常人の10倍にパワーアップ(なる訳ないってば^^;) 私の座った席はカウンターに一番近く入口と店内が見渡せる場所だったので、ウエイトレスさん たちのヒソヒソ話が聞こえてしまったのだ。私の心臓は今にも口から飛び出しそうに高鳴った。 もうコーヒーの味など分からない。とにかく確認しなければ・・・!

伝票をつかみ会計に向かう。釣銭受け渡しの隙を狙ってウエイトレスさんに声をかける。「す いません、ちょっと小耳に挟んでしまったんですが、今日ロケ入るんですか?」一瞬戸惑ったよ うなウエイトレスさんに「私、クウガの大ファンで、今日もこちらを探して来たんです」と重ね る。するとニッコリ笑って「はい 1時から」と教えてくれた。よし!これで決まりだ。

ロケ開始までの時間を潰すため一度駅前に戻る事にしたがバスの時間が合わない。だがとても バスを待っているような心理状態ではなかった。とにかく何かしていないと落着かない。我に帰 った時はもう駅に向かって歩き出していた。駅前で時間を潰し12時過ぎにもう一度バスに乗った のだが余程動揺していたのだろう、路線を間違えてしまい最初の停留所で降りるはめに。戻るの も面倒だったのでそのまま歩き出す。再び「るぽ」裏の駐車場に到着するとスタッフと思しき人 が数人待機していた。すでにTRCS2000も到着している。生トライチェイサーだ。これだけでも 私が興奮するには充分な状況(笑)。しばらく付近の道路に居たのだが、車の通行量が多く危険 なため思い切ってスタッフの方に声をかけた。何しろ見学者は私一人である。目立つし後で何か 言われても嫌なので仁義切ったのだ。

時刻はまもなく 1時になろうとしていた。駐車している車の間でぼんやりしていると、ふっと 視界に赤いチェックのシャツが目に入った。うわっ!オダギリさんだっっ!!!瞬間的にぶっ 飛んだ。まさか五代のシーンのロケだったとは!オダギリさんはチェックのシャツの下に白の半 袖クウガ Tシャツ、ジーンズ姿。でも!私は見てしまったのだ。シャツを脱いだオダギリさんが クウガTシャツの下に半袖のブルーのTシャツを重ね着していたのを(爆)。暑くないのかな〜?

「るぽ」裏口の前にスタッフが小道具を用意した。出て来たものは・・・ん?缶?ブリキのゴ ミバケツやドラムカン、チリトリなど叩くと音が出るものばかりだ。何と五代雄介はそれらの缶 をドラム代わりに叩いて音楽を奏でるのだった!それは「俺の1808番目の技のストンプ(?)で した」と言う台詞で納得。オダギリさん、叩きは上手かったが画的に監督のイメージと合わない らしく何度もNGを出していた(苦笑)。「クウガ」は特撮作品では少ない同時録音システムを取 っているため、鳥のはばたきや車のアイドリングが入ってもNGになる。演技のNGと録音のNGでこ のシーンはかなり時間がかかったようだ。

ロケが始まって30分程経った頃、少し前から見ていた自転車の主婦に声をかけられた。私がメ モを取りながら見学していたため関係者と思われたらしい。彼女は幼稚園にお子さんを迎えに行 く途中だと言い「子供にも見せたいが何時くらいまでやってるのか」と言う事だった。私だって 時間は見当がつかない(笑)。だが現場にはオダギリさんの他に奈々ちゃんも来ていた。バイク もある。と言う事は五代一人、五代と奈々ちゃん、バイクに乗る五代、と単純に考えても最低 3 シーンはある事になる。1シーンの撮影に 30分かけたとしてもお子さんを迎えに行って戻って来 るぐらいなら大丈夫だと思いますよ、と答えると彼女は自転車を飛ばして去って行った。

やがてその主婦は、ご自分のお子さんとそのお友達とお母さん、つまり幼稚園仲間を10数人連 れて戻って来た。これにはスタッフの方も苦笑い。まるで スズメの学校だ(爆)。地元主婦の 連携プレイは凄い。次から次へと見学者親子が増殖(爆)。その間にも撮影はどんどん進んで行 く。オダギリさんの表情は最初ちょっと固い感じがしていたが、ドラムのシーンを撮り終わると ホッとしたらしくいつもの笑顔が見られるようになっていた。

しっかりと分かれていたロケ隊と見学者の境界線が無くなったのは偶然だった。五代のワンカ ットを撮るために撮影位置が私たちのいた駐車場の方へ移動したのだ。その場にポツンと残され たTRCS2000に群がる子供たち。私は夢中でカメラのシャッターを切った。かなり接近しボディの 傷までしっかりチェックした。だが、何故か指一本触れる事が出来なかった。そして五代のカッ トを撮り終わりスタッフが元の場所に移動して来た次の瞬間、見事に関係者と見学者が入り交じ ってしまった。一人のお母さんが花壇の石垣に腰掛けていた処、その横に本当に自然にオダギリ さんがすっと座った。勢いで彼を囲む見学者たち(含 OZ^^;)。オダギリさんは子供たちと握手 しながら「ずっと待っててくれてありがとうね」と声をかけていた。その後”ポレポレの入口 から走って来てバイクにまたがる”シーンを撮った後、バイクスタントの方にチェンジし(上着 のシャツを着せ替えただけだが)発進シーンを撮影。この時にやっとオダギリさんは私たちの方 へ来てくれた。でも・・・オダギリさんってば子供たちに「内緒なんだけどね、バイク乗れな いの」とか「変身?今度合成撮影のある時にね」って、あんたねーっ!(爆)

他のスタッフの邪魔にならないように場所を移動するオダギリさんの正面に回り込み「オダギ リさん、写真撮らせて下さい!」と声をかけるとニッコリ笑って Vサインしてくれたのだが、思 わず「サムズアップして下さいっ!」って要求しちゃった私って・・・真剣に 恐いもの知らず だと自覚(自爆)。もちろんオダギリさんはちゃんとサムズアップでカメラに収まってくれたが (*^_^*)

その後「たまたまお店に来たんですけどーロケが入るって聞いちゃったんでー」なんてどうで も良い事口走り(はあ〜っ)「 5月4日西武園行きますから!」と言うと「え?何それ、知らな い」(汗)・・・本人の知らないスケジュールがネットに流れる摩訶不思議な現象は某関係者 だけじゃなかったのね(内輪爆)。「駄目ですよーそのために私お休み取ったんですから。地方 からも皆来るんですよー」と私。「何やるの?」「サイン会と撮影会」「え〜?ホントにやん の?撮影会って?」「西武園の方がポラロイドで撮ってくれるそうなんです。今 インターネッ トではその話題でもちきりですよ」と駄目押しする私。う〜ん、本気で知らないのか聞いたのに 忘れてるだけなのか・・・(爆)

その後、子供たちに囲まれ集合写真に収まるオダギリさん。写真撮影がひと段落着いたと思っ たらサイン責めに(笑)。 3時間もぶっ通しロケでお疲れになっているであろうに、しゃがみ込 んで子供たちと同じ目線でニコニコとサインに応じるオダギリさん。その間にロケ隊の片付けも 終わり「もう時間ないんで」とスタッフの方がサインを打ち止めさせると、オダギリさんはサイ ンしそびれた子に 「ごめんね」と謝っていた。何だかとっても良いモノを見せてもらった気が した。

そして私は少し離れた場所に駐車してあるロケバスへと走って行ったオダギリさんを思わずお 見送りしてしまったのだった。コンクリートの照り返しで暑かった太陽も少し和らぎ、時計を見 ると4時10分だった。

偶然に偶然が重なったロケ見学だった。まさかロケ現場に遭遇するとは夢にも思っていなかっ たし、よもや生オダギリを大泉やイベント以外の場所で体験するとは!だが「俳優としてのオダ ギリジョー」を体感する事が出来てとても嬉しかったし、映像で見るよりももっともっと、「カ ッコイイ」よりも「綺麗」って表現がピッタリの本当に素敵な五代クンであった(はあと)。


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