オダギリジョー☆トークライブ ”舌”千秋楽

仙台電力ホールで行われたトークライブ楽日の激辛レポート

['01/5/4 last up date]


PM0:24 仙台駅到着

  4月30日、上野発やまびこ119号は予定通りに仙台駅へと滑り込んだ。車中では 2月のライブ初  日にご一緒した樹里さんPANKOさん、仙台駅前でYUKIさん親子と合流し総勢五人でライブ会  場の 仙台電力ホールへ向かう。会場を通り過ぎ商店街を少し入った無国籍料理のお店で軽い昼  食を取り電力ホールへ戻ると 1階ロビーは多くの女性たちで埋め尽くされていた。何事かと思っ  たら、会場時間はとうに過ぎているにも関わらず会場となる 7階ホールに入れないというアクシ デントのためロビーのエレベータ前に長蛇の列が出来ていたのだった。

PM2:45 昼の部 開演

  開場時間が遅れたため15分押しで始まった昼の部。暗闇の中、舞台中央に浮かぶ三人の姿は 2ヶ  月前と全く同じ。だが観客の反応は大きく違っていた。この 2ヶ月間のツアーをずっと追いかけ  ていたファンも多く、一種の「ファンの集い」のような居心地良い空気の中で、オダギリのトー  クが始まる。

  今最も旬なネタはやっぱりオンエア中の「OLヴィジュアル系」。視聴率 12.7%と深夜の時間  帯にしては好調な数字を叩いているらしい。今朝も明け方 5時頃まで撮影だったと言う。その他  にも今後出演が予定されている番組の話をするオダギリはとっても嬉しそうだった。

  今日の「特産物」は仙台名物「牛タン」。山田くんが持って来た「牛タン定食」を「では実際  に食べてみましょう」と口にしたオダギリ。だが「(肉が)冷たい」「(麦飯が)硬い」とサン  ザン(苦笑)。最後に山田くんとサンチュくんが騎馬戦のようにオダギリを肩車して何故か「伊  達政宗〜」と言ってシメていたが・・・納得出来ない。一体どう言う関係があるんだ?(笑)

  続いてサンチュくんが特産物にチャレンジ。観客に特産物を募集したら小さい男の子が特産物  としてステージに上げられた(親の陰謀じゃないか(^^;)。彼の名前は何と「青空くん」。あま  りにナイスなお名前に会場一同ビックリしたが 生の特産物に動揺したのかサンチュくんはしど  ろもどろ(苦笑)。これだから舞台は面白い。

  続く「何やってるの」のコーナーは罰ゲームを取り入れた真剣勝負。最初の罰ゲームはレモ  ン丸かじり でオダギリの勝利だったが二回戦が面白かった。サンチュくんが勝ったら夜の部の  オープニングでオダギリの代わりに中央に立つ、オダギリが勝ったらサンチュくんが夜の部の  前にチケットのもぎりをする、と言うお互いのプライドを賭けた熾烈な戦いとなった(笑)。

  そして最初の勝負はオダギリが勝利。顔を覆ってその場に崩れ落ちるサンチュくんと背中をそ  らせて大きくジャンプし喜びを表現するオダギリ。やはり千秋楽と言う事でテンションが高くな  っているのだろうし、2ヶ月の間にステージ慣れし観客の意識を引っ張る技を学習したのだなと  感じた。だがサンチュくんも負けてはいない。何と再戦を申し入れたのだ。「もぎりもやる、け  ど今度勝ったら真ん中に立たせて!」と。そして彼は知能戦に出た。「何やってるの?」と聞か  れたサンチュくんは「バック転してるの」 と答えたのだ!「相手の言った行動をやる」と言う  のがルールのこのゲーム、バック転と言われたらやらなければならない。オダギリは綺麗なバッ  ク転を決めた。だがそこで意識が途切れ 次の言葉が出なかった(爆)。かくして知恵比べに負  けたオダギリは夜の部のセンターを譲る事に(笑)。

  第3のコーナー「ふたつの脳」では助っ人山田くんが数通の封筒を持って登場しその中から選  ばれたテーマは「高寺さんが帰った」。葛山さんが書いた封筒だったらしい(笑)。これはあま  り特筆すべき事柄もなく(つまりオチもなく^^;;)終わったが(爆)。

  第4のコーナーは「人生相談」。会場から悩み相談を受けたのだが、その内容が「 TATOOを入  れた彼氏と付き合って良いものか」というもの。それに関連してオダギリが以前 TATTOを入れよ  うとしてマネージャに怒られた話(そりゃ怒るわよ(^^;)、クウガ好きが高じてゴ・バダー・バ  のTATTO を入れてしまった人の話などが次々飛び出す。しかし「付き合って良いか」との質問の  答えは出ないまま「愛に国境はない」とムチャなコメントでシメたオダギリはかなりゴーインだ  った(苦笑)。

  最後は寸劇「俺たちの甲子園」。甲子園目指していた高校球児のオダギリと山田くんは、だ  が高校生活最後の夏にベンチ入り出来ずスタンド応援を余儀なくされる。夢を捨て酒とマージャ  ンに明け暮れるオダギリと、頑張ってる後輩たちを応援したいと思う山田くんは、お互いの気持  ちを理解出来ずにいた。そして、最後の夏が過ぎようとしていた・・・。

  正直言ってこの寸劇でのオダギリの演技にはかなり失望させられてしまった。舞台設備が悪く  マイクのハウリングが凄いとか音を上手く拾えないため活舌が余計悪く聞こえるのは仕方ないが  第一、台詞に説得力がなく間の取り方が悪すぎる。「自分の実力を認めない監督」「認められな  い自分」に対する苛立ちがこちらに伝わって来ないのだ。本当は野球をやりたいのに「たかが野  球」と意地を張る、その裏にある悲しみや悔しさが伝わらない。演技ではなく素でやっている感  じがするのは、恐らく演技の計算を度外視し感覚で芝居を引っ張っているからだと思うが、せっ  かくの山田くんとのケンカのシーンも盛り上がりに欠けとてももったいない思いがした。

  そして山田くんにケンカで押し倒された後、舞台上で仰向けになったまま台詞をしゃべるのだ  が、この時のオダギリの腹が動いていないのが非常に気になった。腹が動いていない、つまり複  式呼吸で台詞を言えてない と言う事だ。役者にとって複式呼吸の発声法は一番大事な基本中の  基本であり、俳優養成所出身のオダギリが複式呼吸をマスターしていないなど本来は有り得ない  事だが、私からはどう見ても喉から声を出しているように思えた。

  一体、この寸劇の演出は誰がつけているのか。台詞の言い回しや細かな動作、目配りひとつに  してももっともっと演出の余地があったように思える。優しい笑顔のイメージが強いオダギリが  髪を金色に染めた事によりややツッパリ気味の退廃的なイメージのキャラクターも似合うのだと  気付かされたのは大きな収穫だったが、そのメリットを演技に生かさなかった事はオダギリにと  ってこの寸劇が「自分達が気持ち良ければそれでいい」と言う 自己満足の舞台でしかなかった  証明になるのではないか。「本当にそれで良いのか、オダギリ・・・!?」と問いただしたい気  分だった。

PM5:45 夜の部 開演

  昼の部で約束した通りサンチュくんがチケットのもぎりに立ったが、最初の15分間だけとの事  だったので昼の部終了後はそのまま並んで開場を待っていた。近くで見るサンチュくんは目が大  きく思ったよりキュートな印象で「最終公演頑張って下さい」と言うと「はいっ!頑張ります!」  と気合充分(笑)。

  開演まで間があったので舞台のコンディションをチェックしてみた。木目の床は少々荒れてい  て床に埋め込まれている照明器具(フットライト)も手入れが行き届いておらずかなり古い建物  らしいと感じた。役者にとって舞台の床と言うのは重要である。特に今回のステージのように進  行上床の上に寝転がるような場面(「何やってるの」の時とか)が多々ある場合、荒れた床はケ  ガのもとにもなる。泣いても笑っても千秋楽、事故が起こらなければいいなとただそれだけを願  った。

  開演前にかかるBGMで「ジョージョージョー オダギリジョー♪」と連呼する曲がある事を今回  初めて知った。いつの間にこんなモノが(^^;そして会場内では曲に合わせて手拍子が起こってい  る。開演前だと言うのにすでに会場の一体感が凄い。だがその一体感に私はついて行けずにいた。  初日になかのZEROに行ったとはいえ、この 2ヶ月間はあまりトークライブについての情報を仕入  れていなかった事もあり、一種の「疎外感」を感じてしまったのだ。その疎外感が逆に「場の雰  囲気に流されず冷静にオダギリを見る」私のスタンスに役立つだろうとは思ったが。

  そして最後の舞台の幕が上がった。暗闇の中に立つ三人の影。センターは・・・ん?おかしい。  中央にいるはずのサンチュくんが舞台後ろで追いすがる格好で立っている。何と山田くんがセン  ターに居たのだ!チケットのもぎりに時間を取られているうちにセンターを奪われてしまったと  言う(笑)。この連中は本当に仲が良いんだなぁと感じさせられた一瞬だった。

  いよいよ始まった最終公演。オープニングのトークからこれまでとは違うハイテンションなオ  ダギリに会場の熱気も上がる。1200人キャパの会場に 800人。地方都市でこれだけ埋まれば成功  だろう。その観客に向かって、昼間の時にはまだ発表していなかったドラマのオファー(出演依  頼)などを次々と話し「来年はオダギリの年でしょう」と豪語するオダギリ。「僕のファンがい  るなんて信じられない」と言ってた可愛いオダギリは今や過去(^^;しかし事ある毎に「HPはなし  ね」と釘を刺し、ネット上での情報漏洩をかなり気にしている様子。このトークライブツアーの  期間中、彼は自分の様々な発言をネット上で取り沙汰されかなり痛い思いをしているはずだ。情  報を流すファンに悪気はないが、ファン心理を操作する事も自分の仕事だと知っただけでも勉強  になっただろう(しかし、私も他人事じゃないよなぁ・・・(自爆))。

  「特産物」は昼間同様「牛タン」から「舌」つながりで結局「トークライブ」に決定した。そ  してこれまでと手法を変え「トークライブ」から連想される単語や言葉を 1分間でクロッキー帳  に書き留める方式を取った。三人三様の連想が面白かったが、やはり共通する単語は「オダギリ」  「舌」などである事が判明(当然か ^^;;)。それらをまとめて出来たコピーが「オダギリもっ  と安全に来い」・・・う〜ん、私はこの感性について行けないっ!(自爆)

  続く「何やってるの」では 罰ゲームに粉末の青汁を酢で溶いた、想像しただけでも気色悪い  飲み物が登場(嫌)。初っ端から負けたオダギリ、サンチュくんが青汁酢を作っている最中こん  な自棄なコメントまで飛び出した。「みんな、僕が飲んだ方が嬉しいんでしょ」 何とも女性  ファンの心理を突いた発言に苦笑したのもつかの間、青汁酢を一気飲みして舞台の上でのたうつ  オダギリに、去年のGW、西武園ゆうえんちのクウガショーでバヅー・バにやられ舞台を転がって  いた五代クンの姿が被った。あれから 1年、彼を取り巻く環境は激変した。来年の今頃、彼はど  こで何をしているのだろう・・・そんな思いが頭をよぎった。それにしてもいいオトコが苦しむ  様は見ててドキドキするけど 演技だから良いのであって実際に苦しんでるのはちょっとイタダ  ケナイ(苦笑)。

  苦し紛れに助っ人山田くんを呼んだオダギリ。颯爽と登場した山田くんは右手を斜め下に伸ば  してオダギリを後ろに庇う。それが妙に様になってて一瞬「もしかしてヒーロー好き?」と勘ぐ  ってしまった(爆)。この後もオダギリは「変身ポーズやってるの」と言われて変身ポーズを決  めたり「カズヒコやってるの」と言われて前髪をかき上げる仕草をしたりバック転を披露したり  と大サービス(*^_^*) サンチュくんを負かして大きくジャンプし全身で喜びを表現するオダギリ  は、悔しいけれど、とっても可愛かった(自爆)。

  負けたサンチュくんの罰ゲーム。これがまた悲惨だった。顔のあちこちを洗濯バサミではさみ  それにくっついているリボンを一気に引っ張ると言う学生なノリの罰ゲームにちょっと顔をしか  めた私だったが、片膝立てて冷たい程無表情にまっすぐ正面切ってリボンを引っ張ったオダギリ  は(後ろで転がるサンチュくんには申し訳ないが)凄く凛々しくて素敵だった(*^_^*)

「ふたつの脳」のお題は「サンチュくんの電池が切れた」。ところがどうも今日の三人、この  コーナーは全く冴えずに(^^; 結局、朝同様オチなしで終わった(苦笑)。

  通常だとここで「人生相談」 が入るのだが「つまらない」と評判が良くないとの事でカット  され(苦笑)寸劇に移った。千秋楽に持って来た題材は 「角筈にて」。初日から数回上演した  朗読劇だ。初日と千秋楽に同じ題材を持って来る。オダギリの意図している事は判ったが この2 ヶ月で果たしてどう変わっているのだろう?

  不安は的中した。初日から全然変わっていない、と言うのが率直な感想である。台詞は「言  葉」1、2「言葉」1、2「言葉」と間隔が一定のリズムを保っているため単調で眠くなってしまっ  たし、あくまでも「朗読」であり感情を押さえている部分もあるのだろうが、初日になかのZERO  で感じたのと同じ「子供の感情と大人の感情の演じ分け」が不足している。

  また動きがない分「表情の演技」がもっと欲しかった。表情があって初めて言葉は生きて来る。  例えば「お父さん!長嶋はやっぱり巨人に入ったよ」この台詞は恐らくまだ父親が一緒に暮らし  ていた頃にテレビを見ながら「長嶋はどこの球団に入るのかな」等と話していたのであろうと連  想され、数十年ぶりに父親の亡霊に会った息子は幼い頃の記憶が蘇りこの台詞が出たのだろうと  思われる。そうしたらもっともっと目をキラキラ輝かせて笑顔ではずむような明るい声で言って  良い台詞だ。それがあって初めてその後に描写される、息子を置いて行かざるを得なかった父親  と捨てられて辛く苦しかった息子の心理が浮き立つ。そして離れてはいても自分を思っていた父  親の本心を知りそれまで抱いていた恨みや猜疑心が氷解し心から「お父さん、ありがとうござい  ました」と深々と頭を下げる事が出来るのだ。明と暗、この組み立てが未完成のため、この朗読  劇は何とも盛り上がりのない、平板な「ただの本読み」に終始してしまった。

  役者・オダギリの実力がこの程度とは信じ難いしそうは思えない。ドラマと舞台では表情の作  り方や演技も全て違うためいちがいには言えないが、彼はもっと「役を掴む」勉強が必要ではな  いかと思う。「役柄」をその類まれな「直感」で演じていると思われるオダギリ。だが「感覚」  で役柄を掴むのには限度があり「役を表現」するためにはやはり役柄の分析と積み上げが必要に  なって来る。今後、もっとその辺の勉強をして行って欲しいなと強く感じた。

  そして最後の挨拶。オープニングと同じように舞台中央に立つ三人に一人ずつスポットがあた  る。涙ぐみながら準備からツアー期間、千秋楽までの苦労を語るオダギリ。もらい泣きする観客。  確かに感動的だが、今からが本当の「オダギリジョー」としての戦いの始まりだとしたら泣いて  などいられないと思う。オダギリを本当のビッグネームにしたいなら、ファンがもっと本気にな  って応援しないといけないんじゃないか。そう考えさせられた千秋楽だった。


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