私的「仮面ライダークウガ」論 Vol.17
第31話「応戦」総集編 第二弾
['00/9/9 last up date]
ライジングマイティキックでカメ怪人を倒したクウガ。だがその影響による被害は大きかった。 マスコミは未確認生命体第4号に頼り過ぎた警察を非難し、警察は第4号の単独行動だと非難の矛 先をかわしていた・・・。何故クウガは戦うのか、クウガをこれほど強くしてしまったものは何 だったのか。クウガのパワーアップの過程を振り返る総集編。第17話に続く総集編の第二弾。1クール毎に総集編を入れなければならない程制作スケジュー ルが詰まっているのかと思わず勘ぐりたくなるが(^^; 逆に定期的な総集編を放送ローテーショ ンに組み込んでしまう方が「クウガ」の全体像を掴みやすいかも知れない。特に今回はクウガの パワーアップの経過にポイントを置いたので、映像も変身後の戦闘シーンが多く、お子様には楽 しかったのではないだろうか。
ここへ来て五代の「普通の人間でなくなってしまった苦悩や哀しみ」が強調されるエピソード が続いている。これまでの仮面ライダーシリーズ(主に第一期)では、改造された主人公の苦悩 や哀しみは作品の立ち上がりに集中的に打ち出し、主人公が悪の組織と戦う覚悟を決めてからは あまり表面には出て来なかったし、特に「クウガ」では、立ち上がりの五代雄介があまりにも能 天気なキャラクターでありヒーローの苦悩とは程遠いような気がしていたから、よもやグロンギ との戦いが激しさを増す物語後半になってその苦悩を前面に打ち出すとは予想外の展開。自らの 意志とは言え五代が「人間である事を捨てて戦う」事実に変りはなく、普段の五代が底抜けに明 るいだけに、その顔にふっと憂いがよぎるとそれだけで彼が抱える苦悩が充分感じ取れる。
テレビではワイドショーのニュースがカメ怪人爆発の影響が半径 3キロにも及び周辺建物は多 くの被害を出したと報じていた。それを見つめる五代の目。それはあまりにも哀しい瞳。どんな に叩かれてもああするより他に方法がなかったと自らに言い聞かせるような五代の姿。その表情 は思わず「もう、いいよ、これだけ頑張ったんだもん。もう変身なんかしなくていいよ」と言っ てあげたくなるほど、哀しみを通り越して 痛々しさすら感じさせる。そう、クウガは痛々しい ヒーローなのだ。変身する事自体が”痛み”を伴うヒーロー。彼は変身する事により肉体に過剰 な負荷をかけて生じる身体的な痛みのみならず、その姿には精神的な痛みすら感じさせる。いま だかつてこれほどの痛みを感じさせるヒーローが存在しただろうか?
一見すると周囲に協力者や理解者が多く恵まれているかのように映るクウガ。だがやはり彼は 異端者である。一般人から見たらグロンギもクウガも同じ「未確認生命体」でしかない。それは 桜井刑事が一条刑事に問い掛けた「やっぱり普段は人間体があるんですか?」と言う言葉から も想像出来る。つまり五代雄介に直接関わっていない人々は、普通の人間がクウガになったとは 考えずグロンギと同じように古代から甦った怪人だと思っているのだろう。このまま行けば、ク ウガはヒーローとして祭り上げられる事はなく、グロンギを封印した後は彼自身も排斥されてし まうかも知れない。「クウガ」はそんな危うさや脆さを秘めている作品なのだ。
だが苦悩するヒーローは五代雄介のキャラクターではない。「イイ男が苦悩する姿」は一条刑 事にお任せして(笑)やはり五代にはいつも笑顔でいて欲しいと思う。今後の展開は全く読めな い状態だが、どんな状況下でも笑顔を絶やさない五代雄介は最高に強いヒーローとなり得るはず だから・・・。
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