私的「仮面ライダークウガ」論 Vol.5
第11話「約束」/第12話「恩師」五代雄介アクション編
['00/4/29 last up date]
前話に続き五代雄介メインエピソードだが、このエピソードには二つの大きな見所がある。ひ とつは五代の素面でのアクション。もうひとつは小学校時代の恩師が五代に与えた偉大な影響。 狂暴な(ま、他の怪人達も狂暴だったがそれ以上にパワーがある ^^;)サイ怪人にクウガに変身 する隙も与えられずひたすらやられまくる 五代のドロドロのアクションは現実味があり(事実 立ち回りとは言え手加減なしでやられたようだし(苦笑))画的にもマル。ただ気になるのは、 あれだけサイ怪人(の人間体)に突進されまくってどつき回され投げられ首絞められて、それで も青アザひとつないキレイなお顔はちょっと違和感(苦笑)。やっぱり「傷ついてこそヒーロ ー」って刷り込まれてるのかしら、私(自爆)。ピラニア怪人の出現により辛くも危機を脱出したクウガだったが、サイ怪人にかましたキック が決まらなかった事で自分の力が足りないのだと気付いた五代は独り「特訓」を始める。公園で 前宙を決め 運動神経の良さをアピール(爆)。更に、パワーを集中させ一発で決着を付けるた め大木を相手にキックの練習をするなど、前エピソードに引き続き「戦闘方法に試行錯誤する五 代雄介」を主張している。連続エピソードでの五代の「特訓」描写。これは最初に私が感じた「 ヒーローの成長物語」を意味しているのではないのだろうか。だが特訓の前にしっかり準備運動 をしてくれる演出には涙がちょちょぎれた(苦笑)。東映ヒーロー40年史の中でも「準備運動す るヒーロー」は前代未聞だろう。作品全体を眺めて見るとどうもこういう部分で 緊張感が緩む 嫌いがあるのは事実だ。
これまでのライダーは思いを内に秘めるタイプが多かったため「戦っている途中に両方ともこ っから落ちました」と戦況を素直に報告したり「もっと強いキックじゃなきゃ駄目なのかな、っ て・・・」と自分の考えをストレートに口にする五代はやっぱり相当「変り種」。ま、最もそん なこたぁ 第1話から分かっていた事だが(爆)。しかし「自分の技が怪人に効かないショック」 や「負けてなるものか」と言う闘志が全く見えずあまりに冷静に分析し過ぎるのも変。もちろん 熱くてギラギラした闘魂は五代のキャラクターには似合わないが、少しくらい 悔しがる仕草が 入っても良いんじゃないかと。それでも「これが五代雄介だ」と言われると、そうかな?と言う 気分になって来るから困る(苦笑)。これはもう一種の洗脳だ(爆)。
もうひとつの柱は「恩師との約束」。2000年3月25日までに 2000個の技を身に付けると約束し た五代は恩師・神崎先生との再会の日を心待ちにしていた。しかしどうやって約束を果たしたと 証明するつもりだったのだろう。もしかして先生の目の前で2000もの技を披露するつもりだっ たのか?もしそうだとするととても一日では終わらないゾ、と余計な心配(苦笑)。
だがサイ怪人の出現により母校に行けなくなった五代は桜子に代理で行くように頼む。それも 有無を言わさず強引に現地までのルートをメモさせて(苦笑)。電話を切った後「何で私が」と ちょっと口を尖らせる桜子さん。そりゃそうだ、彼女にだって都合があるだろう(爆)。これも 見ようによってはめちゃめちゃ自分勝手なのだが「ま、五代クンなら仕方ないっか」と思わせる キャラクターはもうすでにカリスマの域かも知れない。
一方、自分の教育方針に自信を失っていた神崎先生は桜子から五代の思いを聞かされ、知らず 知らずのうちに自らが五代に与えていた影響を知り涙する。神崎先生が五代雄介に与えた教え。 それは父を失った幼き日の五代少年に「お母さんと妹の笑顔のために 頑張れる男になれ」と 言うものだった。13年の月日が流れ、約束通り2000の技を身に付け皆の笑顔を守るために戦える 男に成長した五代は恩師との再会を果たす。
五代が何故サムズアップをするようになったのか、何故自らを犠牲にしてまで戦うのか、五代 雄介の行動や思考の基本部分を明らかにしながら、一方で現代の教育現場が抱える様々な問題を も包括しそれでいて説教臭くない展開は絶妙で「五代の特訓」と「恩師の教え」と言う二本の芯 を上手く絡ませながら五代雄介のヒーロー性を浮かび上がらせた巧みな脚本には感嘆。
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