私的「仮面ライダークウガ」論 Vol.6
第13話「不審」/第14話「前兆」ゴウラム始動編
['00/5/2 last up date]
1クールが終了し(実際は13話で1クールだが)オープニング映像がリニューアル。これまでの オープニング映像に第12話までのエピソードからセレクトしたクウガの戦闘シーンを差し込み、 これまでは同じ画面に入っていた一条刑事と沢渡桜子をそれぞれピンの扱いにしている。また、 間奏におやっさん、五代みのり、朝比奈奈々、榎田女史、椿医師、バラのTATTOの女 のサブキャ ラクター 6人を曲のリズムに合わせた切り替わりの速いカットで挿入、物語が一段と大河ドラマ 的にスケールアップしている事をうかがわせる構成になっている(この作りは「エヴァンゲリオ ン」のオープニングを連想させるが ^^;)。だがクウガの乗るトライゴウラムのごつさにはビックリ。まだ本編には登場していないマシン だけにインパクトが凄い。私的にはTRCS2000のスマートで軽いボディが細身のクウガ&五代雄介 のイメージとマッチしていただけに、装甲車のような重量感のある車体にはやや抵抗感(食わず 嫌いなだけだが^^;;)。もちろん超古代にクウガと共に戦っていた愛機(・・・になるんだろう な、やっぱ(苦笑))が、甦ったクウガに反応して復活する設定は違和感ないのだが、何故発掘 されるまで地中深く眠っていたのだろうかと疑問も感じる。クウガはもう3ヶ月以上も TRCS2000 と言う現代の愛機と共に戦っていたと言うのに。ましてや、掘り起こされたゴウラムの破片はひ とりでに動き回り勝手に形を成してしまう不思議な力を持ち、その挙げ句に輸送途中のトラック の荷台をぶっ壊して空高く舞い上がる(これって、ゴウラムの脱走!?)。これだけのパワーを 持つものが、何故今まで自発的に地中から飛び出さなかったのか不思議でならない(某玩具スポ ンサーの販売スケジュールの都合、なんて野暮は言いっこナシ(笑))。この辺りの謎も今後解 明されて行くのだろうか。期待する。
ライターが 井上敏樹に交代し(メインライターの荒川稔久が休むため)前半よりエピソード 全体にダークな雰囲気が漂うが、特に後半エピソードではとうとう五代雄介に 「仮面ライダー の哀愁」を背負わせてしまう。未確認生命体に憧れ人間に嫌気がさして人生を投げ出したような 青年・蝶野に「何故未確認生命体に憧れたりするのか」と問い「俺は憧れたくないけどな・・・」 と微笑む五代。そこには「図らずも未確認生命体になってしまった自分」への思いが感じられる。 かつてのライダーのように人間でなくなってしまった自分に悩み苦しむような事はなくひたすら 明るく元気な(表現を変えれば呑気な ^^;)五代だが、やはり心のどこかでは常に葛藤があるの だろう。
「彼らなら自分の気持ちを理解してくれる」と信じてピラニア怪人と対峙した蝶野は、だが怪 人に襲われ初めて「現実」を直視する。水の戦士ドラゴンフォームに超変身した五代は激戦の末 ドラゴンロッドでピラニア怪人を倒す。そして川に腰まで浸かったまま変身を解くと背後の蝶野 をゆっくりと振り返る。その表情は戦い終わったヒーローの、厳しいがどこかやるせないような 切なさを感じさせる。「お前に俺の気持ちなんか分かるか」と突っぱねていた相手が実は 正真 正銘の「未確認生命体」だったと知って狼狽する蝶野。「俺はこいつに助けられたのか・・・」 とつぶやくと背を向けて走り去る。それを見送る五代の目は物憂げで寂しそうだった。それは、 とうとう救う事の出来なかった蝶野の心を知ってしまったからかも知れない。
駆け寄って来た一条刑事に笑顔でサムズアップをする五代。それは一条を気遣った少しぎこち ない笑顔だった。一条もまた五代の気持ちが分かるのだろう、無言で蝶野を見送る。この辺りの 「救いようのなさ」は「Gメン'75」や「特捜最前線」と言った70年代〜80年代の東映刑事ドラマ を感じさせる作りだ。特に、普段 ナチュラルな芝居で五代雄介を演じているオダギリジョーが 時折垣間見せる「ヒーローの表情」は強く印象に残る。
エピソード中、特に「仮面ライダー」を強く感じさせる部分としては、初めて登場したバイク 乗り変身ポーズだろう。だが演出的に相当無理をしている事が映像から見て取れるのが難点。 やはりバイクに乗れないオダギリジョーを使ってのバイク乗り変身ポーズは止めた方が良かった のではないか(苦笑)。
また、今回のエピソードで印象に残ったのは椿医師の使い方だ。第13話でのデートシーンなど 少し唐突過ぎる感もあったが、蝶野に被害者の遺体を見せ「死の重さ」を悟らせようとする椿は 「人間が生きる時間をこんな風に終わらせる未確認生命体は絶対に許さない」と訴える。五代と は違う意味で軽い椿が五代や一条刑事のアドバイザーとなり一種の「締め役」として欠かす事の 出来ないサブキャラクターになって来ている。そして本来なら一条に語らせるべき台詞を椿に代 弁させる事で嫌みのない場面に仕上がり、その存在感を強烈にアピールした。
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