私的「仮面ライダークウガ」論 Vol.7

第15話「装甲」/第16話「信条」

トライゴウラム登場編

['00/5/16 last up date]


一条刑事のこれまで語られる事のなかった幼少時代や母親との関係など「素顔の一条刑事」を 描きながら一方で「トライゴウラムのお披露目」も兼ねているためかなり内容の充実した(「て んこ盛り」とも言うが^^;;)エピソード。また、これまでは前後編のどちらかには必ず変身ポー ズがあったのだが(それでも歴代ライダーとは比較にならない程少ないが ^^;)このエピソード では初めて変身ポーズを一度も見せない(変身シーンすらもない)。実はこの他にも、五代のサ ムズアップが一度しかなかったり逆におやっさんの登場が増えていたりとこれまでの展開とは違 う雰囲気を持たせているのが特徴。

何しろ驚いたのは大型トラックで人間を襲うヤドカリ怪人(よ、弱そう・・・ ^^;)を追って 渋滞している京葉道路を走り抜ける TRCS2000。自分の車の横を走り抜けて行くクウガを見た 運転手サンたち、ビックリたまげただろうなあ〜(爆)。これは実際に渋滞している時に撮影し たものだと思うが、ヤ○ト運輸の業務用車両とか映していいのか!?余談だがこの作品はスポン サーチェックが甘いのかどうか知らないが、サ○トリーの缶コーヒーやケイン・コスギがCMやっ てる栄養ドリンクなどが小道具として平気で映っているからスゴイ(苦笑)。普通のドラマでは 下手するとそのシーンだけカットになる事もあるのに(冷汗)。

長野からの輸送途中にトラックから脱走し「未確認飛行体」と名づけられたゴウラムはあちこ ちで金属物質を吸収しながら(車のドアをくっつけたりマンションの給水塔をぶっ壊したりと迷 惑極まりない ^^;)一路東京へ向かっていた。どうやら五代(クウガ)の生体エネルギーに反応 して動いていたらしく、ヤドカリ怪人を追って疾走するTRCSに追いつきとうとうくっついてしま う。九郎ヶ岳の遺跡から出土した謎の破片に書かれていた古代文字の解読結果から「甲虫の形を した馬の鎧」と言うキーワードを導き出していた五代は TRCSと合体したゴウラムを操りヤドカ リ怪人を追う。

ヤドカリ怪人に追突され瓦礫の下敷きになってしまったTRCSを掘り返している時の二人の噛み 合わない会話が面白い。「しかし驚いたな」と言う一条刑事が「未確認飛行体が何故くっついて しまったのか」と疑問を感じているのに対し「はい、まさか無傷なんて」と応える五代はすでに TRCSとゴウラムを一体視している。「事件」に対する二人のスタンスの違いが良く出ているシー ンだ。

スタンスの違いと言えば科学警察研究所の榎田女史も相当図太い神経の持ち主だ。ゴウラムが 五代のバイクにくっついてしまった事で五代の正体をバラさざるを得なくなった一条刑事(だと 思うが五代が「4号です〜♪」と自己紹介した可能性も無きにしも在らず^^;)。だが榎田女史 は事も無げに「このヒトが 4号とはねぇ〜」と言い放つ。恐らく榎田女史は科学者の勘でグロン ギが人間に変身出来る事から 4号も人間体になれるのだろうと予測していたはずである(ま、科 学者でなくても分かりそうなモンだが(苦笑))。だから五代が 4号だと知らされても平然とし ていたのだろうが ちょっと待て。グロンギは怪人が人間に変身するが(人間体は仮の姿だと思 うが・・・どっちが先だろう?)クウガは「五代雄介と言うれっきとした人間がクウガに変身す る」のだから、もし榎田女史がグロンギとクウガを同一視していたとしたら、今後五代は榎田女 史に怪人扱いされるのだろうか(悩)。

心臓に毛が生えている榎田女史はトライゴウラムを見て「なんか調べ甲斐がありそう〜♪ンフ フ(妖しい笑み)」と知的好奇心いっぱい!って表情でご機嫌。うわっ、榎田さんって椿セン セイに似てる!と思ったら「もしかして椿さんと同じタイプの人ですか?」としっかりツッ込ん だ五代。視聴者に先回りしツッ込む隙を与えない脚本には脱帽(苦笑)。

TRCS2000にゴウラムが融合合体する事で「トライゴウラム」となる。当然の事だがベース車も 変る(苦笑)。視覚的にも造型の都合でベース車を変えたなと分かる。視聴者の中にはそう言う ツッコミを入れて来る人も多いだろう。だが「クウガ」ではそのツッコミのネタを何と逆手に取 ってしまったのだ。つまり榎田女史に「ゴウラムがくっついた事によってベースにされたTRSCま で変形してしまった」と言わせ、それに対して「ドラゴンフォームに変身した自分は手すりを武 器に変えてしまったが変身を解いたら元の手すりに戻った」と五代に説明させる事によって「ベ ース車の変更」と言う「制作側の都合」に説得力を持たせ、更に第6話ドラゴンフォーム登場編 からの「怪人を撃破した後、武器はどうなったのだろう」と言う謎を一気に解決させてしまった。 決して説明調ではない、たった一言の台詞で。これはもうお見事!と言うしかないだろう。

ヤドカリ怪人の乗るトラックにトライゴウラムごと突っ込み怪人を倒したクウガ。だが突然ゴ ウラムが破片と化して剥がれ落ちTRCSも元の形に戻ってしまった。落胆した様子でしゃがみ込む 五代。「馬の鎧」を相当気に入っていたようだ。TRCSと合体した際には何かしゃべってるみたい だったし(苦笑)。その割には突然動かなくなってクウガをピンチに陥れたりして、実はこのゴ ウラムってとっても気まぐれなんじゃ・・・(汗)。

個人的にはヤドカリ怪人がツボ。トラックの運転覚えたり無線で日本語しゃべったりとなかな かファンキー。元がヤドカリだから色々派手に身に付け貝の代わりにトラックに入った、と言う 設定らしいが(確かに考えてみればヤドカリに人間を殺す技があるとは思えないし)どうせなら 「トラック野郎」のように電飾ハデハデな長距離トラックにすればインパクトあったのに(爆)

オダギリジョーが良い感じにヒーローらしくなって来ている。初期の頃より目線を含めて表情 が豊かになり、それと同時に演技に「芝居っ気」が出て来たようだ。葛山氏の影響を受けている のかな?とは思うが、何気ない仕草に「ヒーローっぽさ」が感じられるようになった。例えば第 16話クライマックスでトライゴウラムの異変を感じた五代と一条刑事が後ろを振り返るシーン。 よく見ると普通に振り返っている一条刑事に対し、五代は上半身をひねるようにし肩を入れて振 り返っている。これはまさしくカッコ良く見せるための「ヒーローの動き」だ。私個人的には 五代がヒーローらしくなって行くのはと〜っても嬉しい(本音)。だが一歩間違えると五代雄介 の「ナチュラルさ」が損なわれる危険がある。このサジ加減は難しい。自然にすれば「ヒーロー らしくない」と言われ、キメたらキメたで「五代らしくない」と言われる。上手くバランスを取 って進んで欲しい。


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