私的「仮面ライダークウガ」論 Vol.2
第5話「距離」/第6話「青龍」ドラゴンフォーム登場編
['00/3/14 last up date]
元クリスタルキングのボーカル田中昌之が歌うオープニング「仮面ライダークウガ!」の歌 詞がなかなか意味深気で良い。「時代をゼロから始めよう 伝説は塗り変えるもの」と言う歌い 出しは、太古の伝説の戦士・クウガの復活を表現すると同時に過去のライダーとの決別をも意味 しているのではないかと思わされる。その上 2番の歌詞には「英雄はただ一人でいい」なんて表 現もあってこれは明らかに歴代ライダーへの挑戦とも受け取れる。ここまで世界観の違いを明確 にするからには、例えどんな事があっても「歴代ライダーのゲスト出演」は有り得ないだろう。五代の身体が医学的(?)に分析され「クウガ」の謎が少しずつ明らかにされて行く過程が面 白い。体内に吸収されたベルトから神経状のモノが全身に伸びている事実と「そこから何らかの 信号が発せられて変身するのだろう」と言う仮説も、リアリティと同時にロマンを感じさせる。 監察医椿(一条の友人)の「戦うためだけの生物兵器」と言う表現は、かつてショッカーが改造 人間を作り出した時のコンセプトであり「世界観が違う」としながらもさり気なく歴代ライダー のニュアンスを漂わせる脚本がとてもニクイ。
五代は闘いの後によく半日程度爆睡する。それが例えファミレスでも考古学研究室の床にゴロ 寝でも。寝起きの後はこれまたよく食べる(どうやらカレーが好物のようだ)。体力の回復とエ ネルギーの補充と言う「当たり前の事」をこの作品ではちゃんと見せているのだ。これまでの作 品ではとかくタブーにされがちだったヒーローの「人間らしさ」をあえて前面に出しタブーを打 ち破ろうとしている試みは高く評価出来る。
第5話 で初めてドラゴンフォームが登場。ジャンプ力は格段に向上し身のこなしもスピード アップするがパンチやキックなどパワーが弱くなり破壊力が落ちると言う設定。そのために武器 (ドラゴンロッド)を持つのだが、第6話 で戦闘中にビルの渡り廊下の手すりを壊したクウガが その手すりの棒を手にした途端ただの金属棒がドラゴンロッドに変形したのにはぶったまげた。 ただの人間の五代雄介がクウガに変身するのには訳がある。トライチェイサー2000が変形するの にもちゃんと理由がある。だが、ただの金属棒が変形するのはちょっと無理がある。果たしてこ れに明快な理由づけが出来るのだろうか(苦笑)。
これまで マイティフォームでの戦闘アクションが妙に重く見えるのが気になっていた。前回 Vol.1で書いたように「慣れない戦闘」に苦心している様子でもあったがそれにしても 高さがな いのが不思議だった。クウガのアクションには過去のライダー作品に見られるような実践的な殺 陣はほとんどなく、どちらかと言えば戦隊シリーズに多いビジュアル系。それなのに JACの通常 の動き方と違うのは何故か。だがドラゴンフォームを見て、マイティフォームの時にはあえて足 技を多くしていたのだと合点。跳躍力のあるドラゴンフォームでジャンプや空中回転など高さの あるアクションを見せ差別化を図っているものと思われる。まだ登場しない他のフォームにもそ れぞれ特徴を持たせたアクションが出て来るのだろう。楽しみだ。
しかし、いきなりトライチェイサー2000が変身したのにも驚いた。これも「普及品ではコスト の都合上切り捨てた性能」らしいが、隠密行動のため車体の色を変えるシステムだと言う。しか し白バイにそんな性能必要だったのか?まあ覆面パトカーって考え方もあるが、そういう開発費 って単に税金の無駄使いでは(汗)。
表面上は全く何も考えていないような(^^; ただの能天気兄ちゃん五代雄介の本当の性格が少 しずつ現れて来る。とにかく五代は優しい。「ただの能天気」ではなく実は繊細で周囲を気遣う あまり気丈に振る舞っているのではないかと思わされる。それが初めて顕著に現れたのが第6話。 驚異的な跳躍力を持つバッタ怪人(仮面ライダーも元は同類って気が ^^;)に翻弄されなす術も なく完敗した五代は全治 1ヶ月の重傷を負う。桜子や一条の心配をよそに収容された病院をいつ ものサムズアップと笑顔で抜け出してしまった五代は、だが一人になると全身の激痛に顔を歪め る。この辺りのシチュエイションは一条の性格描写に良く似ている。つまり五代と一条は似た者 同士なのだが性格の出方が両極端で、歴代ライダーを振り返るとクールに眉をひそめる一条の方 がよりヒーロー性が強いため、五代が必要以上に能天気に映ってしまうようだ。
そもそも五代の「呑気」はどこから来るのだろうか?それは冒険家として数々の危険を潜り抜 けた体験によって培われた「野生の勘から来る自信」ではないのだろうか。と言う事は、実は五 代は超自信過剰男なのかも知れない(苦笑)。
第5話 よりレギュラーキャストが二人加わる。一人は五代が住み込みでバイトしている「オリ エンタルな味と香りのポレポレ」(一体何屋だ!?)のマスターおやっさん。今度のおやっさん には何と名字がない!歴代ライダーシリーズでも「名字のないおやっさん」は初めてだ。扮する きたろう氏はとぼけた味わいのある芝居でドラマのオアシス部分を担当している。五代がクウガ とは知らずに正義のヒーロークウガの熱烈なファンになって行くと言う設定のようなので、今後 五代とどのように絡んで行くか楽しみ。ただ呑気な五代にすらツッコまれているおやっさんなの でドラマから脱線しない事を切に願う!(爆)
もう一人は監察医 椿秀一(演:大塚よしたか)。一条の友人で司法解剖が本職だが一条の依 頼で五代の身体を調べた事から興味を持ち主治医となって行くようだ。最初に五代を調べた時の 台詞が強烈。舌なめずりをして「解剖してじっくり見てやりたいくらいとんでもないぜ」と一条 へ妖しい目を向ける。先生、そういうご趣味をお持ちで?(爆)
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